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パテック フィリップ アクアノート 5168G-001。90年代に新しい何か(のようなもの)が始まった

アクアノートの夜明けと、カジュアルな汎用性の高さの支配。

90年代ウィークへようこそ。この特集では直近10年間で最も魅力的な(そして最も過小評価されている)時計と、20世紀末を特徴付けたトレンドとイノベーションを再考していく。ダイヤルアップ接続を行い、クリスタルペプシ(無色透明のコーラ)を手に取って欲しい。

90年代半ば、パテック・フィリップはある問題に直面した。時計への熱は1980年代初頭のクォーツ危機と不況の影響から回復しつつあった。90年代半ばまで、最も有名な高級時計メーカーであるパテック フィリップは、新興のドットコム(インターネットビジネスを手掛けるベンチャー企業)の資金で潤う市場と精巧な作りの時計、特にカジュアルでスポーティな時計を好む傾向に目をつけた。

では、何が問題だったのか。それは、パテック フィリップにモダンなスポーツウォッチがなかったことだ。

パテックフィリップ スーパーコピー アクアノート アクアノート誕生20周年記念 5168G-001

型番 5168G-001
機械 自動巻き
材質名 ホワイトゴールド
ブレス・ストラップ ストラップ
タイプ メンズ
カラー ブルー
文字盤特徴 アラビア
外装特徴 シースルバック
ケースサイズ 42.2mm
機能 デイト表示
1997年に発表されたアクアノートの誕生から20周年を記念して2017年に発表されたアクアノート 「5168G-001」が入荷しました。
ケース径はジャンボサイズの42.2mmを採用し、文字盤にはパテックでは珍しいブルーグラデーションを合せています。
12気圧防水のホワイトゴールドケースはシースルーバック仕様となっており、美しく仕上げられた自動巻きキャリバー324SCがご覧になれます。

1996年まで、ジェンタ(Gérald Genta)がデザインしたノーチラスは20年近く前に発売され、ブランド愛好家のあいだで人気を博していたが、若い購買層はよりカジュアルでスポーティなものを選ぶようになっていた。1997年、パテック フィリップは初の年次カレンダー腕時計を発表してからわずか1年後、ラバーストラップのカジュアルなスポーツウォッチ、アクアノートを発表した。この時計はノーチラスよりも小型かつ安価でありながら、ジェンタが形作ったルーツを受け継いでいる。

当初の5168G-001は、幅35.6mm、厚さ8.5mmのスティール製(“A”はフランス語で“acier”、つまり鋼鉄を意味する)である。19mmのラグ、サファイアクリスタル、頑丈なスティール製ケースバック、ねじ込み式リューズを備え、120mの防水性を実現した。ブラックダイヤルのみ販売されたオリジナルのアクアノートにはアラビア数字が使われ、夜光塗料が施されていた。まさにスポーティウォッチである。

当時も今も、アクアノートはパテック フィリップと、パテック フィリップで人気のある時計のひとつ(または複数)を手に入れようと奮闘した人々にとって、大きな意味を持つ。1997年、パテックのボスであったフィリップ・スターン(Philippe Stern)は、『Europa Star』のインタビューで、アクアノートは「伝統的なパテック フィリップの品質と、真のスポーツウォッチを求めるブランドの顧客の要望に応えたものだ」と語っている。前年の“中流層向け”年次カレンダー 5035の発表とは一見異質であり、またつながっているようにも見えるこの5168G-001は、ブランドの広範な商業化に向けて新たな一歩を踏み出したと言えるだろう。大成功を収めた、長い歴史を持つノーチラスに続く完璧な第二子なのだ。

アクアノートは、カラトラバや複雑なパーペチュアルカレンダーとは異なり、頑丈で伝統的なものでなく、比較的安価なモデルだった(パテックの通常の価格帯を考慮すれば、この言葉に納得してもらえるだろう)。カラトラバが9000ドル(当時の日本円で約109万円)、パテックのパーペチュアルカレンダーが少なくとも45000ドル(約545万円)の時代、5168G-001はおよそ5000ドル(約61万円)で市場に登場した(当時の定価は6900スイスフラン。1997年時点での為替レートは1米ドル=0.708スイスフラン。実際の希望小売価格は多少異なるかもしれないが)。