福祉法人間連携による人材育成プログラム「次世代リーダー育成研修」活動報告会開催が開催されました

6月にスタートした、静岡県内の高齢者サービスを支える4つの団体（社会福祉法人や企業）が連携して実施する画期的な合同研修会が、約半年間の実践と議論を経て、11月21日に成果報告会を迎えました。

この研修プログラムは「次世代リーダー育成研修」と銘打たれ、静岡県内における福祉法人間連携による人材育成プログラムとして実施されました。高齢者サービス分野は技術やテクノロジーが目覚ましい進歩を遂げていますが、この仕事の根幹には「人から人へ」のケアがあり、ITや机上の理論だけでは解決できない「人」と向き合う課題が存在します。

研修の取り組みと意義

研修には、各事業所の次世代リーダークラスのスタッフが参加し、所属事業所の課題を深く分析し、その解決に向けて取り組んできました。駿河会からは5名のスタッフが参加。
参加メンバーは小さなグループを作り、お互いを模擬的に「同じ事業所の同僚」「同じ境遇の職員」として、課題の抽出や取り組み、取り組み中に発生する事象を共有・検討しながら進めてきました。

今回の研修では、前年度の参加者がメンターとしても参加したことが大きな特徴です。メンターはグループに一人ずつ配属され、直接的な助言や指導ではなく、自らが気付く質問を意識的に投げかけるという方法を取り、チームマネジメントにより深く踏み込む研修となりました。これは、単なる知識の習得に留まらず、現場での実践と人との交流を通じて、より質の高い高齢者サービスの提供を目指すものでした。

報告会の詳細

11月21日、報告会は静岡市にある学校法人中村学園様の協力を得て、駅前のキャンパスをお借りして開催されました。会場には、受講者や関連の法人・会社に加え、学生、また福祉関連の教育を行っている学校関係者など、50名ほどの人々が集まりました。
報告会では、参加者一人ひとりの活動報告が行われました。また、メンターや講師を交えたパネルディスカッションも実施され、これまでの取り組みの成果と、これからの展望について熱く語られました。

参加者からの反響

聴講していた学校関係者からは、活動報告を通じて、実際に現場で携わるスタッフの熱意ある取り組みが伝わったとの講評をいただきました。また、「自法人・自組織を超えた相互の研修の醍醐味を感じた」「福祉人材の価値を改めて認識できた」といったコメントも寄せられました。

今後の展望

この種の法人間連携の研修は全国でもまだめずらしい取り組みですが、今回の合同研修が、高齢者サービスが抱える「人」ならではの課題に対してどのような新しい解決策を生み出し、静岡県内の高齢者サービス全体の質の向上にどのように貢献していくのか、今後も期待が寄せられています。
研修関係者一同、来年度以降も引き続き、この画期的な取り組みを進めていきたいと考えています。

この研修の連携は、まるで個々の事業所や人が持つ知識や経験というパズルのピースを、地域全体で持ち寄り、協力し合うことで、一つの壮大な高品質なサービスという絵を完成させようとする共同作業のようなものを感じました。技術だけでなく、人の想いと視点を交換することで、より良いケアの未来を築いていくのではないかと感じられる企画でした。